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亜鉛が不足するとどうなる?効果・摂取量・摂り過ぎによる副作用を解説

亜鉛は、人間の体にとって大変重要な栄養素です。

「髪や肌の健康維持」や「味覚を正常に保つ」ために欠かせないことは、多くのWebサイトで紹介されていますよね。

しかし亜鉛の健康効果はそれだけではありません。

この記事では、多くの働きを持つ亜鉛の効果・摂取方法・摂り過ぎによる副作用について紹介していきます。

目次

亜鉛とは?

亜鉛は、筋肉と骨を中心に全身の細胞内に約2g存在する成分です。

タンパク質やコラーゲンの合成に関わったり、体の発育を促してくれます。

また体内に侵入した細胞やウイルスから身を守るためにも役立ちます。

何歳になっても体の成長と健康維持に欠かせない亜鉛は、“必須ミネラル”と呼ばれるほど重要な成分なんですよね。

“必須”とまで言われる重要な成分は、不足するとさまざまな悪影響を体に及ぼします。

亜鉛が不足するとどうなる?

亜鉛が不足するとタンパク質などの合成が十分に行えず、さまざまな健康障害を引き起こします。

亜鉛が不足すると、たんぱく質やDNAの合成がうまく行えなくなり、成長障害が起こります。また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に必須であるため、亜鉛不足になると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。亜鉛不足によるほかの症状として、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。

低アルブミン血症:血管内の水分が血管外に移動する症状。腹水や胸水の原因の1つです。

中には聞き慣れない症状もありますが、健康を脅かすことに変わりはありません。

忙しい現代人において、亜鉛不足は重大な問題です。

当ページでは、後ほど「亜鉛の摂取方法」を紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。

亜鉛の効果

亜鉛の効果は、非常にたくさんあります。

「髪や肌の健康維持」「味覚を正常に保つ」働きは有名ですよね。

そこでこの記事では、意外と知られていない亜鉛の効果を紹介していきます。
目から鱗の亜鉛の働きをチェックしてきましょう。

①免疫力を高める

亜鉛は、免疫力を高める効果が期待できます。

下記の研究では、亜鉛が不足すると免疫機能に悪影響が生じることが明らかになりました。

亜鉛欠乏により免疫システムの異常がヒトやマウスで多数報告されている

引用:ここまで分かった亜鉛の免疫システムにおける役割|日本衛生学会

要するに、亜鉛を十分に摂取することで免疫システムを正常に保てるという訳です。

正常な免疫システムは、病原菌や異常な細胞を倒して体を病気から守ってくれます。

②下痢の改善

亜鉛は、小児の下痢の改善も期待できます。

下痢が持続している小児では、亜鉛を補給することによって、下痢の平均期間が約16時間短縮することはほぼ確実である(中程度の確実性)

引用:小児における下痢の治療を目的とした経口亜鉛補給|Cochrane

世界保健機関やユニセフも、小児の下痢に対して亜鉛を推奨していますよ。

世界保健機関(World Health Organization :WHO)と国連児童基金(United Nations Children’s Fund :UNICEF)は、小児の下痢に対して1日あたり 10 mg から 20 mg の亜鉛を推奨している。

引用:小児における下痢の治療を目的とした経口亜鉛補給|Cochrane

このことからも、亜鉛を摂取することで小児の下痢に一定の効果が期待できると言っていいでしょう。

しかし成人後の下痢に対しては、有用性が認められる文献はありません。
あくまでも小児の下痢に、亜鉛は効果的と覚えておきましょう。

③かぜ症状の軽減

亜鉛は、かぜ症状にも効果的です。

50人の被験者(感冒発症後24時間以内)には酢酸亜鉛トローチ(亜鉛13.3 mg)またはプラセボを覚醒時に2~3時間ごとに摂取させた。プラセボと比較して、亜鉛トローチは、風邪症状(咳、鼻汁および筋肉痛)を有意に軽減した

引用:亜鉛|厚生労働省

亜鉛は、免疫システムを正常に戻す働きがあるので、その結果、粘膜の炎症を抑えてくれます。

しかし別の実験では、「亜鉛とプラセボの間に違いが見られなかった(かぜ症状に効き目がなかった)」というデータも。
(参考:亜鉛トローチは風邪の期間を短くしないようだ|LINK de DIET)

ですが効果が見られなかった実験は、亜鉛の摂取量が明らかにされていません。

十分な用量の亜鉛を摂取すれば、かぜ症状の軽減が期待できるでしょう。

④視力の維持

亜鉛は、高齢に伴う視力低下を防止する効果も期待できます。

オランダの集団ベースのコホート研究では、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEと同様、亜鉛の食事摂取量の多いことが高齢被験者におけるAMDリスクの軽減と関係していた

引用:亜鉛|厚生労働省

AMD(加齢黄斑変性)とは、加齢によって生じる視力低下を引き起こす病気のこと。

視力を司る黄斑と呼ばれる網膜組織が、加齢とともにダメージを受けて変化することで発症します。

亜鉛を摂取することで、網膜細胞の合成を助け、加齢による視力低下を防止する働きが期待できる訳です。

亜鉛の摂取方法

亜鉛は、食事から摂取することが可能です。

以下の食べ物に亜鉛は多く含まれています。

  • 牡蠣
  • 豚レバー
  • うなぎ
  • 納豆
  • 高野豆腐

中でも「牡蠣」には多くの亜鉛が含まれているため、無理して5つの食べ物をバランスよく摂取する必要はありません。

ですがどうしても「自炊が苦手」であったり、「家で食べてる時間がない」という方もいるでしょう。

そんな方にオススメなのが、亜鉛を配合した「サプリメント」の摂取です。
水と一緒に飲むだけなので、毎日寝る前に10秒もあれば亜鉛を摂取できます。

あなたの生活スタイルに合わせた摂取方法を見つけてくださいね。

亜鉛はどのくらい摂取すればいい?

厚生労働省による亜鉛の摂取量の目安は、次のようになっています。

男性の場合
生後0~6(カ月):2 mg
7~12(カ月):3 mg
1~3(歳):3 mg
4~8(歳):5 mg
9~13(歳):8 mg
14~18(歳):11 mg
19(歳)以上:11 mg

引用:亜鉛|厚生労働省

亜鉛は、年齢によって必要となる目安摂取量が違います。

自身の年齢に合わせて、適切な量を摂取しましょう。

ちなみに、亜鉛の含有量が多い牡蠣には100gあたり13.2mgの亜鉛が含まれています。

一日に100gの牡蠣を摂取することは難しくても、他の食材を一品足せば毎日の目安摂取量を摂ることは難しくありません。

不足分はサプリで補うのも一つの手ですよ。

亜鉛の摂り過ぎによる副作用

亜鉛は、体内にも存在する栄養素なので基本的に副作用はありません。

しかし短時間での「過剰摂取」は禁物です。

大量の亜鉛摂取による急性の副作用は、悪心、嘔吐、食欲不振、腹部痙攣、下痢、頭痛などです

引用:亜鉛|厚生労働省

適量の亜鉛は健康維持に欠かせませんが、摂り過ぎはオススメできません。
具体的には、1日に150mg以上の亜鉛を摂取すると健康上のリスクが考えられます。

と言っても、日頃の食生活で1日150mgの亜鉛を摂取することはほぼ不可能です。
亜鉛を含むサプリメントも用量を守れば、過剰摂取になることはありません。

また以下に該当する方は、かかりつけ医に指示を仰いでから摂取してください。

  • 食物アレルギーをお持ちの方
  • 医薬品を服用してる方

どちらの場合も、亜鉛が体内で過剰に反応することが原因で健康被害を引き起こします。

紹介した【亜鉛の摂取量】を守って、必要であれば医師に相談することを心に留めておきましょう。

亜鉛を手軽に摂取するならサプリメント

亜鉛を手軽に摂取したいなら、サプリメントがおすすめです。

製品によっては、一日分のサプリ用量で亜鉛の目安摂取量を満たせるものもあります。
「自炊が苦手」「時間がない」という方には、うってつけですよ。

毎日の生活に亜鉛を取り入れて、健康的な生活を送りましょう。

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